こんにちは! 物書きの忍者です!
今回は、哲学者レヴィナスの『イリヤ』について紹介します。
みなさんは、『イリヤ』という言葉を聞いた事はありますか?
おそらく、聞いた事のない方がほとんどのはずです。あったとしても「人名かな?」と思う人が大半だと思います。そもそも「そのレヴィナスって誰だよ?」と思った方もいるかもしれません。
ここでは、あまりなじみのない哲学者レヴィナスの唱えた『イリヤ』とは何なのか、簡単に説明していきます。
『イリヤ』って何?
前提として、哲学者レヴィナスの唱えた『イリヤ』というのは『存在する(そこにある)』こと意味している言葉です。
正直、これだけだと「何言ってんだお前?」と思われるかもしれません。ここで『イリヤ』という言葉を知るために重要になってくるのは、哲学者レヴィナスの半生です。
どういうことかと言うと、ユダヤ人であった哲学者レヴィナスは第二次世界大戦をきっかけに、ナチスのユダヤ人迫害によって、家族や友人、親族のほとんどを失ってしまいます。
自身もドイツ軍に捕虜として収容所に捕らえられるなど、ユダヤ人として人間以下の扱いを味わったレヴィナスは、いつしか、そんな残酷な状況の中でどれだけの人間が無残に殺されたとしても『世界』は何事もなかったかのように継続していくという事実に恐怖を抱きました。
ようするに、自分が明日殺されるかもしれないという恐怖と共に「どうせ俺が死んでも、世界は何も変わらずに続くんだろうな……」と思うようになったわけです。
この恐怖の対象でもあった『たとえ自分がいなくなっても存在し続ける世界』のことを、哲学者レヴィナスは『イリヤ』を呼んだのです。
もう少しわかりやすい言い方をすると『イリヤ』とは、ナチスドイツによるユダヤ人の虐殺という無残な死を目の前にした結果、自分とは無関係に存在し続けている『世界』に対する恐怖から生まれた言葉だという事です。
なので、『イリア』は自身とは無関係に『存在する(そこにある)』ものなんだと、何となく理解しておきましょう。
さいご
今回は、哲学者レヴィナスの『イリヤ』について紹介しました。
まとめると、
- 『イリヤ』とは『存在する(そこにある)』こと意味している言葉
- ナチスドイツによるユダヤ人の虐殺という無残な死をきっかけに、自分とは無関係に存在し続けている『世界』に対する恐怖から生まれた言葉
最後までお読み頂きありがとうございました。
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