こんにちは! 物書きの忍者です!
今回は、哲学者アリストテレスの唱えた政治体制について紹介します。
みなさんは、アリストテレスという名前を聞いた事はありませんか?
『万学の祖』とも呼ばれている有名な哲学者で、誰しも聞いたことくらいはあると思います。しかし、何をした人物なのか問われると答えに詰まってしまう方は意外に多い筈です。
ここでは、そんな経歴をあまり知らない方のために、哲学者アリストテレスの唱えた政治体制について紹介していきます。
哲学者アリストテレスの唱えた政治体制
前提としまして、最初に哲学者アリストテレスの唱えた政治体制についてざっくりとした説明をしますと、それは主に三つあります。
- 君主制(一人の王が支配する形)
- 貴族制(少数の特権階級が支配する形)
- 民主制(すべての民が支配する形)
哲学者アリストテレスは、国家というのはこの三つを時代とともに繰り返すものなのだと唱えました。
正直、これだけだとちょっと意味が理解しにくいと思うので、順を追って説明します。
まず、『君主制』というのは簡単に言ってしまうと、最も偉い地位にいる王様を中心にした政治体制のことです。絶対的とされる王様の命令に従って他の人々が動くという構図は、飲み会などの定番である王様ゲームなんかをイメージしてもらうと分かりやすいかもしれません。
次に『貴族制』とは、その名の通り貴族と呼ばれる国において特別な権利を有する少数の特権階級を持つ人々が中心となった政治体制のことです。もっとわかりやすい言い方をするなら、絶対的な命令権を持っていた一人の王様が多数に分身したようなイメージをしておきましょう。
最後に『民主制』とは、国に住むすべての人間によって進められる政治体制のことです。私たちの生活している今の国の在り方でもあるので、これに関しては良く知っているかもしれませんけど、要約すると「みんなで話し合って決めようよ!」という形を国という規模で行ったものだと思っておいてください。
たぶん今まさに民主制の社会で生きている殆どの人は『君主制』に関して「それって独裁じゃないの?」と悪いように捉えられていると思いますが、君主制というのはそうした悪い面だけではなく、良い面もあります。
その一つを言ってしまうと、行動の速さになります。想像してみてほしいんですけど、極端な話、国の大事な決定を王様一人がするわけですから、私たちの良く知る民主制において、議員なんかが国会議事堂で長い時間をかけて話し合っているようなことを、君主制なら王様が「今からこうしろ」とたった一言命令するだけで済みます。
仮に、その政治体制の中心ともいえる王様がものすごく優秀な人間であった場合、それだけ早く良い決断を進められるという事で、ただ言い合いをして何も進まない民主制よりも、国が発展していくような気がしませんか?
ようするに何が言いたいかというと、「民主制こそが一番いい!」とか「貴族制こそ制度として最も優れている!」ということは言えなくて、極端に悪いというものもなく、三つの政治体制にはそれぞれ良い面もあるのだということです。
哲学者アリストテレスは、そうした国の在り方を客観的に見た上で、国というのは三つの政治体制が時代とともに繰り返されていくものなのだと唱えたわけです。
どの政治体制でもいつかは腐敗する?
ここまででアリストテレスの唱えた三つの政治体制に関して大まかな説明をしました。
ただ、ここで「そもそもどうやって政治体制が入れ替わるんだ?」という疑問を持たれた方がいると思います。だって、もしも一つの政治体制で国が問題なく進められるのなら、時代とともに繰り返す以前に政治体制を変えようと考えること自体起こらない筈じゃないですか。
実を言いますと、先程「極端に悪い政治体制などない‼」みたいに偉そうな発言をしましたけど、その逆で最も優れた政治体制というものも存在せず、それぞれ悪い面も持っているのです。
その悪い面に関してざっくりとした説明をまとめると、
- 君主制⇒【独裁制】(王様が好き勝手にふるまう)
- 貴族制⇒【寡頭制】(権力争いが勃発する)
- 民主制⇒【衆愚制】(民が政治に無関心になる)
ここから順を追って説明します。
まず『君主制』における悪い面とは、簡単に言ってしまうと、暗愚ともいえる頭の悪い王様が支配者となって国をメチャクチャにしてしまうことです。先程、ものすごく優秀な人間が王様になれば国は発展すると言いましたけど、その逆だと君主制では一番偉い王様に他の人が意見を言えるような政治システムになっていないので、嫌な言い方ですけど、どこまでも国が酷くなります。
次に『貴族制』では、君主制とは違って愚か者が一人いても他が優秀なら巻き返すことが出来ます。しかし、私利私欲に溺れるような貴族が複数人でてきてしまうと、そうした人同士が集まって派閥をつくり、内輪で醜い権力争いが起きてしまいます。
『貴族制』は、そうした貴族同士の権力争いによって政治をおろそかにして、国をボロボロにしてしまう危険性を持っているのです。
私たちにとって最も身近な『民主制』に関しても悪い面はあります。ぶっちゃけてしまうと、それは国にいるすべての人間が国の在り方について無関心になることです。
一見、みんなで話し合って進めるという政治体制は良いもののように見えますけど、そもそもの話、『民主制』を成立させるためには、大前提として国民すべてが政治の知識を持っているということが絶対に必要になるのです。
想像してみてください。もしも何の知識も持たない私たちにいきなり「この国の産業はどう推し進めましょうか?」みたいな質問を振られたとして、パッと答えることが出来ますか?
「そんなの専門の人に聞いてくれ!」と他人に丸投げしてしまうはずです。そこで問題になるのは、その政治に関する「専門の人」というのは、一体だれを指しているのかという話です。
大半の方は「政治家!」と答えるかもしれません。しかし、政治家といっても大勢の人物が毎日のように演説をして票集めをしています。正直、特定の誰かを指名できる人はあまりいない筈です。もしも、その時に自分が「専門の人」として指名した人物が、中身はスッカスカの無能であったとしたらどうしますか?
ようするに何が言いたいかというと、『民主制』というのは国民すべてが政治の知識を持っていることを前提としていて、そうじゃないと専門の政治家として指名した人物が実は中身のない無脳である可能性が出てきて、そうした人たちによって国が衰退してしまうかもしれないのです。
このように三つの政治体制にはそれぞれ悪い面が存在し、そうした悪い面が原因となって国が衰退してしまった際に、『革命』という名の巻き返しによって政治体制の入れ替わりが度々起きて、時代とともに繰り返されるのだと哲学者アリストテレスは考えたわけです。
さいご
今回は、哲学者アリストテレスの唱えた政治体制について紹介しました。
まとめると、
- 哲学者アリストテレスの唱えた政治体制とは『君主制』、『貴族制』、『民主制』という三つの政治体制のこと
- 哲学者アリストテレスは、国家というのはこの三つを時代とともに繰り返すものなのだと唱えた
- 三つの政治体制はそれぞれ『独裁制』、『寡頭制』、『衆愚制』という悪い面も持っており、それによって国が衰退した際に入れ替わりの革命がおこる
最後までお読み頂きありがとうございました。
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