主人公は助手で、探偵は三毛猫?【三毛猫ホームズの推理】

書評

こんにちは! 物書きの忍者です!

今回は、著者赤川次郎さんのミステリ小説『三毛猫ホームズの推理』を紹介していきたいと思います。

なぜ私がこの作品を紹介するかというと、読書する習慣を身に着けたい人にオススメしたいからです。

子どもの頃、全く本を読まなかった私はこの本をきっかけにして読書するようになりました。そうした体験談から、何を読めばいいか悩んでいる、今まさに本を読む習慣を身につけたい人にこの作品をオススメしたくてこの記事を書いています。

1978年に刊行されたこの作品は、現在50作以上続く三毛猫ホームズシリーズの記念すべき第一作であり、ベストセラーにもなった作家赤川次郎さんの代表作の一つです。

刊行された年から40年以上が経過していて、根強いファンも多く存在しています。

活字離れと叫ばれる昨今で、こんなに長い間読み継がれてきたということは、それだけこの作品が読みやすいということだと思います。それでは、読書の初心者にオススメするこの作品の紹介をします。

主人公は助手で、探偵は三毛猫?

主人公は警視庁で『お嬢さん』という綽名で呼ばれ、血を見ただけで卒倒する女性恐怖症の刑事片山義太郎。彼が上司である捜査一課長、三田村繁に命じられ女子大生殺害事件が起きた羽衣女子大に出向するところから物語が始まります。

そこで片山刑事を待っていた羽衣女子大の文学部長、森崎智雄から被害者の女子大生が売春をしていたこと、それが組織的なもので女子大生に対して売春の仲介を行っている者が学生の中にいると聞かされます。

片山刑事は売春が行われている女子寮を泊まり込みで監視することになりますが、その数日後、依頼主である森崎が殺されてしまいます。

学部長を殺したのは誰か? 売春の首謀者は? そして女子大生殺害事件の犯人は?

殺された森崎学部長が飼っていた三毛猫のホームズを引き取った片山刑事は、まるで人間の言葉がわかるかの様に行動する不思議な猫と共に事件に関わっていきます。

これは個人的な感想になりますが、

  • 女性恐怖症の刑事が女子大で事件を捜査! 
  • 三毛猫と共に難事件を推理! 

といった部分から既に面白そうだと思いませんか?

この作品の魅力となる点は大きく分けて三つあります。

  • 登場人物の描写が上手い
  • 女性キャラが魅力的
  • 物語に導入が秀逸

これから具体的に説明します。

登場人物の描写が上手い

とにかく、登場するキャラクターたちの描写が上手い! すぐに殺されてしまう被害者であってもその動作や心情が滞りなく描かれていて、どのキャラクターに対しても感情移入がしやすく、小説の世界観に入り込みやすい。

実は、最初に主人公を片山刑事と書きましたがそれは少し違い、この作品の真の主役はタイトルにもなっている三毛猫のホームズなのです! ですが、ホームズは別に人間の言葉を話したり特殊な能力を有してはいません。あくまで、猫です。そして、その三毛猫ホームズの協力者であり、ワトソン的な役割を担うのが片山刑事なのです。

この猫を主役に据えている点からも奇抜性を感じますが、なにより話すことのできない小動物を主役にして物語を成立させているのは、それを支える登場人物の描写が上手いからです!

女性キャラが魅力的

アニメやイラストなどが当たり前になった今では、魅力的な女性キャラと言えば絵で表現された物が殆どであり、小説で表したとしても『可憐』や『美人』といった言葉が使われ読者たちそれぞれの想像力に完全にゆだねる形になる。

しかし、この作品の女性キャラは文字で表現されながら、見た目だけでなくその行動や紡がれる言葉の一つ一つが魅力的で、彼女達が現実に存在している錯覚を起こさせる程に巧みに表現している。

物語の導入が秀逸

多くの方は推理小説=巧妙なトリックと考えているだろうが、そうではない。

推理小説の最大の魅力は、主人公や犯人、そして事件関係者たちの心情とそれに対する行動をどう表現し、犯人の動機や登場人物の行動に違和感やしこりのない様に物語を最後までどう進めていくかである。この作品にはそれがある。

もちろん、トリックも大事なのだが。事件と登場人物をどう関わらせるのか。事件を通して彼らは何を思うのか。そして、最後にどういった結末を迎えるのか。それらを矛盾なく組み立てることが一番重要なのである。

この作品は、密室殺人というミステリーでも王道とも呼べるトリックを加えたうえに、本来暗い雰囲気が漂う殺人事件で物語が始まったにもかかわらず、コミカルなユーモアが至る所に盛り込まれていて、楽しい気持ちで読み進めていくことが出来る。

さらに、その物語自体の進ませ方が上手く、普段読書をしない方でもとても読みやすい作品になっている。

さいご

今回は、赤川次郎さんのミステリ小説『三毛猫ホームズの推理』を紹介しました。

実をいうと、中学の時、全く読書などしなかった私が本を読むきっかけになった作品がこれです。人に勧められて偶然手に取っただけなのだが、その人にはとても感謝しています。ですので・・・

今後、読書週間をつけたいと考えている方に三毛猫ホームズの推理を強くお勧めします!

興味を持って頂けたなら、読んでみてください!

以上で紹介を終わります。

最後までお読み頂きありがとうございました!

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