こんにちは! 物書きの忍者です!
今回は、2002年に公開された映画『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ アッパレ!戦国大合戦』を紹介します。
みなさんは、人の死に出会ったことはありますか?
- 家で飼っていたハムスターが亡くなった
- 親戚の葬式に出席したことがある
- ニュースでよく見かける
身内の誰かが亡くなったり、知っている人が急に死んだと聞かされたり、形は様々ですが、生きていれば必ず死というものを考える機会があるはずです。
今回、この映画を紹介しようと考えたのは、その誰かの死というものとの向き合い方を学べると思ったからです。
これから紹介するこの作品の要点は主に三つです。
- 舞台は天正二年のカスカベ
- 青空侍と春日城の姫
- 戦国時代をテーマに語られる人の死
一つずつ説明します。
舞台は天正二年のカスカベ
この作品は、主人公の野原しんのすけが天正二年の春日部にタイムスリップするところから始まります。
映画のタイトルを見た人の殆どが予想した通り、舞台は戦国時代です(汗)
もう少し具体的に言うと、天正二年(1574年)、遠い未来ではその姿を消して春日部になっている『春日城』という場所が物語の舞台になります。
ある日、野原一家は時代劇に出てきそうな綺麗なお姉さんの夢をみます。
家族全員が同じ夢を見たということを不思議に思っていると、幼稚園から帰ってきた主人公の野原しんのすけは、飼い犬のシロが庭に掘った大きな穴を埋めるように母親である野原みさえに指示されます。
仕方なくその穴に入ったしんのすけは、穴の中から文箱をみつけます。そこには、汚い字で書かれた手紙が入っていました。
その手紙に『ぶりぶりざえもん』というしんのすけが好んで使っているオリジナルのキャラが描かれていたことで、自分が手紙を埋めた記憶のないしんのすけはその事実を前にして首を傾げます。
しかし、そんなことよりも手紙にある『おねいさんはちょーびじん』という一文に惹かれたしんのすけは、もしかすると夢で見たお姉さんのことではないかと考えます。
そして、もう一度会いたいと願いながら目を瞑ると、目を開けた時には見知らぬ景色が広がっていました。
タイムスリップものは古今東西、様々な手法を用いられて創作物の中に適用されていますが、ここまで馬鹿馬鹿しい方法でタイムスリップしたことに、初めてこの映画をみた時は吹き出してしましました。
かなり早い段階から笑わせに来る手法には、流石としか言えません。
こういった、どんなテーマであろうとも、難しいことを考えずにみていられるところは『クレヨンしんちゃん』という作品すべての魅力だと思います。ここは、実際に映画をみて感じてほしいです。
青空侍と春日城の姫
この映画の見どころの一つは、『鬼の井尻』と呼ばれ恐れられている一人の侍と、その侍の仕えている城の姫『春日廉』との恋模様である。
この映画での重要人物の一人は、井尻又兵衛由俊(いじりまたべえよしとし)という春日家に仕えている侍です。
戦でめっぽう強いその様から『鬼の井尻』と呼ばれて敵に恐れられている人物で、ボーッと空を眺めるのが好きで青地に雲の描かれた旗印をしていたことから『青空侍』とも呼ばれていました。
天正二年にタイムスリップしたしんのすけは、偶然、ある合戦に遭遇します。
時代劇の撮影と勘違いしていたしんのすけは、又兵衛を火縄銃で狙っていた足軽に話しかけてしまいます。
結果的に、そのおかげで命を救われた又兵衛はそのお礼に自分たちの城『春日城』にしんのすけを案内してくれます。
その時代では珍しい服を着ていたしんのすけを春日城の城主であった春日康綱(かすが やすつな)の許へ連れて行った又兵衛は、その城主に、命の恩人であり未来から来たというしんのすけの面倒を見るように言われます。
仕方なく自分の家までしんのすけを連れて行こうとする又兵衛でしたが、その途中でしんのすけが夢にみたお姉さんで、春日城の城主の娘である『春日廉』と出会います。
この『廉姫』というのがもう一人の重要人物です。
少しネタバレになってしまいますが、この廉姫と又兵衛というのは幼馴染で、実は両思いです。しかし、お互いにそのことを知りません。
さらに、城主の娘とその城主に使える家臣という立場の違いから、又兵衛は廉姫への恋心を押し殺しています。
この二人の仲がどう進展していくのかもこの映画の見どころだと思うので、ぜひみてほしいです。
戦国時代をテーマに語られる人の死
リアルな戦国時代という、子供向けアニメとは思えない重すぎるテーマにも関わらずコミカルで面白い。なのにスゴイ泣けてくる、最後のシーンは絶対にみてほしいです。
この作品では、天正二年(1574年)という昔を舞台にして、その時代の背景と戦について語っています。
その中で、私の印象に一番残っているのは『人の死』というものです。
まず最初にその死について触れるのが、この映画の重要人物である又兵衛が、父や兄弟を戦争で失くしているという話でした。
又兵衛の屋敷に住み込み、夫婦で身の回りの世話をしている仁右衛門(にえもん)という人物も、息子を合戦で失くしていました。そんな話を、しんのすけを家に招いた日に又兵衛は語っています。
時代背景をリアルに描いているからこそ、余計に印象に残ったこの場面をみて私が最初に思ったことは「これは、絶対に子供向けじゃないだろ!」という意見でした。
映画の序盤の方でそんな印象を受けましたが、全体を通しては、ギャグの要素が多く笑ってみていられます。そこは『クレヨンしんちゃん』という作品の強みだと思っています。
しかし、そんな楽しい雰囲気を一変させるシーンが最後に待っています。これが本当に泣けます!
このシーンの為にこの映画はつくられていたのかと思ってしまう程に感動します。これは絶対にみてほしいですし、見ないのは人生の損だと勝手に思っています(汗)
この作品を見たのは公開されてからある程度時間の経ってからで、私の最初に思った「これは子供向けじゃない!」という印象は間違いではなかったと思わされ、同時に、子供時代にこの作品をみなかったことに少しショックを受けました。
どこか矛盾している気もしますが、それだけのインパクトを持った作品です。もし興味を持って頂けたなら、ぜひみてほしいです。
さいご
今回は、2002年に公開された映画『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ アッパレ!戦国大合戦』を紹介しました。
要点をまとめると
- 舞台は天正二年のカスカベ
- 青空侍と春日城の姫
- 戦国時代をテーマに語られる人の死
面白い作品なので、多くの方にみてもらえると嬉しいです。
最後までお読み頂きありがとうございました。
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