世の中は『貧困』と『富裕』で分けられる?【FACTFULNESS(ファクトフルネス)】

書評

こんにちは! 物書きの忍者です!

今回は、ハンス・ロスリングさんの著書『FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣』を紹介します。

突然ですが、みなさんは世界の人口のうち、極度の貧困にある人の割合は、過去20年でどう変わったと思いますか?

  • 約2倍になった
  • あまり変わっていない
  • 半分になった

これは本の中で紹介されているクイズで、私が初めて見た時は「2倍は多すぎる気がするし、あんまり変わってないんじゃないの?」と思っていました。多分、殆どの人が同じか、もっとひどくなっていると想像したはずです。

しかし、このクイズの答えは、『半分になった』で、実は20年の間に極度の貧困層の割合は半減していたそうです。

「嘘だ!」と思ったかもしれません。正直、私も信じられませんでした。この本はそんな、私達の抱えている思い込みを捨てて、データを基に正しく世界を見ようとするために必要となる方法が書かれています。

これから紹介する内容は主に三つです。

  • 世の中は『貧困』と『富裕』で分けられる?
  • ネガティブ本能
  • 単純化本能

具体的に説明します。

世の中は『貧困』と『富裕』で分けられる?

貧困層と富裕層など、世界は二つに分断されていると思い込み、私達は全ての物事を極端な二つに分けて考えてしまっています。

ハンス・ロスリングさんの著書『FACTFULNESS(ファクトフルネス)』の中で、私達はこの世界に対して間違った認識をしていると語られています。

そもそも、私達はなぜ世界に対して間違った認識をしているのでしょうか?

その理由は、私達の中に物事をドラマチックに考えてしまう10の思い込みが存在しているからだと本に書かれています。

その一つが『分断本能』と呼ばれるもので、これは世界は分断されているという思い込みのことを言います。

もう少しわかりやすく言うと、ドラマの独裁者なんかが「この世には勝者と敗者の二種類しか存在しない!」みたいなセリフを吐いているシーンを想像してみてください。

あなたがこれを画面越しに見ていたとして「勝者と敗者しか存在しない」というセリフに首を傾げたくはありませんか?

「いやいや、もっと他にも大勢いるだろう」と思った方は多い筈です。この独裁者の吐いていた極端な二つに分ける考え方こそ『分断本能』と呼ばれているものです。

こうして客観的にみると「そんな思い込みをするわけ無いだろ!」とほとんどの人が思うかもしれません。しかし、この思い込みは私達の身近に既に存在しています。

例えば、サラリーマンとフリーランスの考え方です。みなさんはサラリーマンと聞くとどんなイメージを持ちますか?

  • 時間に縛られている
  • 会社の方針に逆らえない
  • 自由な部分がほとんどない

社会で働いている人間の多くがサラリーマンにあたり、その反対の働き方をしているのがフリーランスだと思っている筈です。要約すると、世界には自由のないサラリーマンと自由なフリーランスの二つしか存在しないわけです。

この要約を聞いた時、みなさんは不思議に思ったかもしれません。「そうかな?」と疑問に思うかもしれませんし、中には「副業は?」と指摘された方もいるでしょう。

確かに、サラリーマンをしていても、副業でフリーランスのように働いている方は多く存在しています。

このように、私達の身近にあるものでも、極端な二つに分けられていることは多く存在し、実際には、副業のように中間にあたる層が存在しています。

この本の中では、分断本能の対策として、その大半の人が含まれる中間層を意識することを提案しているので試してみてください。

ネガティブ本能

私達は、テレビのニュースなどネガティブな情報に影響されて、世界はどんどん悪くなっていると思い込んでしまうことがあります。

私達の抱えている思い込みの一つは『ネガティブ本能』と呼ばれるもので、これは私達の周囲にある環境がどんどん悪くなっていると考えてしまう思い込みのことを言います。

例えば、みなさんはテレビなどでネガティブなニュースが多く流れていることに疑問を持ったことはありませんか?

あれは、私達がネガティブな情報に引き寄せられてしまう習性を利用して、視聴者を増やすためにあえてネガティブな情報を配信しているのです。この話はみなさんも聞いたことがあるかもしれません。

つまり私達には、悲劇などに関心を寄せてしまい、物事をネガティブな視点でイメージして、いつの間にか信じ込んでしまう部分があるわけです。

「そんなネガティブに考えたこともない!」と反論する方は一定数いると思います。そこで、少し考えてみましょう。

先程、私はサラリーマンに自由はないと発言しました。これって本当にそうでしょうか? 自分で言っておいて何なのですが、少し極端な気もします(汗)

確かに、サラリーマンと聞くと、上司に怒鳴られながら無理やり働かされているイメージがします。しかし、実際はどうでしょうか?

  • 休みの日も決められた給料がもらえる
  • すでに仕事の内容がある程度決まっている
  • 少なくとも、すぐに職を失うリスクは低い気がする

サラリーマンと聞くと、社畜という言葉からもマイナスのイメージを持たれがちですが、意外とメリットもあります。『サラリーマン=悪い』というわけでは決してありません。

このことからも、私達はネガティブな情報を信じ込みやすいようにできています。そのことに注意しておきましょう。

単純化本能

「これをやれば必ず成功する!」など、全ての問題に対して一つの解答を提示し、全てを理解したように思いこむことがあるので注意しましょう。

もう一つ、本の中で語られている思い込みを紹介しておきます。それは『単純化本能』というもので、全ての問題に対して一つの解決策しかないと思い込んでしまうことを言います。

もう少しわかりやすく言うと、「これをやれば必ず成功する!」と言われた方法だけを頼りにして、全ての物事を解決しようとする勘違いを指しています。

正直、私自身がこれをやってしまうことが多々あるので、本を読んでいたこの一文を見た時はショックを受けました。

ピンとこない方もいるかもしれません。そこで例えばの話、みなさんが転職を考えたとします。

自由のない今の仕事が嫌になり、たまたま経験もある程度詰んでいるし、セミナーでの勧めもあり、せっかくだから自由なフリーランスになろうと考えたとしましょう。

ここで質問です。フリーランスは自由な仕事なのでしょうか?

  • 知名度がないと給料がない
  • お金がないので、まともな休み自体存在しない
  • 仕事の内容を一から考える必要がある

実際に、サラリーマンから退職してフリーランスになった人が失敗しているという話をみなさんも聞いたことがあると思います。

そもそも、転職を考えた時に多くの方が、ハローワークなどで違う仕事を探すことを考えたと思います。そして、良い仕事が見つかったならすぐに転職しようとします。

どれも方法として別に間違っているというわけではありませんが、取れる選択肢が少なすぎる気がします。多分、納得のいっていない方が殆どだと思います。

この『自由=フリーランス』『転職=ハローワーク』のような問題に対して単純な決められた答えを出そうとする思い込みを『単純化本能』と言います。

前に、サラリーマンの中には副業でフリーランスのように働いている中間層が存在すると話しました。つまり、みなさんの考えている解決策以外にも選択肢は無数に存在しているわけです。

私もよくやってしまうので、「この方法が絶対に正しい!」と主張された時は、他に方法がないのか探すよう心がけてください。

さいご

今回は、ハンス・ロスリングさんの著書『FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣』を紹介しました。

まとめると、

  • 分断本能
  • ネガティブ本能
  • 単純化本能

この本では他にも私達の抱えている思い込みについてデータと共に詳しく書かれています。興味のある方はぜひ見てください。

最後までお読み頂きありがとうございました。

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