人は主観的な世界に生きている【劣等感との向き合い方】

書評

こんにちは! 物書きの忍者です!

今回は、劣等感との向き合い方について考えてみたいと思います。

みなさんは何か劣等感を持っていますか?

  • 周囲の人よりも背が低い
  • 他人と話すことが苦手
  • 頑張っているのに成績がいつも下の方にある

などなど、私達はふとした時に、身体的なコンプレックスやネガティブな性格のように何かしら他人と比べて劣っていると感じる瞬間があると思います。

こういった劣等感はどうすれば克服できるのかという問題はみなさんも一度は考えたことがあるはずです。

ところで、その『劣等感』というのは悪い面しかないのでしょうか?

「デメリットしかないだろ!」と思う方もいるかもしれません。しかし、みなさんもよく知るような有名人たちは、その劣等感をバネにして成功したという話を聞いたことがあると思います。

そこで、今回はアルフレッド・アドラーさんのアドラー心理学を参考にして、劣等感との向き合い方について考えてみたいと思います。

これからの話の要点は主に三つです。

  • 人は主観的な世界に生きている
  • 原因でなく目的に目を向ける
  • 普通であることを受け入れる?

具体的に説明します。

人は主観的な世界に生きている

私達は全く同じ世界に生きているのではなく、それぞれ自分が思った通りに意味づけした世界に生きています。私達の抱いている劣等感と周囲の感じている事実は違うかもしれない。

私達が生きていく中で、上手くいかない場面に幾つも遭遇すると思います。その時、複雑な世界に文句を言いたくなったことのある人は多い筈です。

なぜ、世界というのは複雑で上手くいかないようにできているのでしょうか?

アドラー心理学によると、それは私達が客観的ではなく、自分の主観で世界を見ているせいだとされています。つまり、私達が世界を複雑で上手くいかないものだと思って見ているから、私達の世界は複雑になっているそうです。

「そんなわけ無いだろ!」と思うかもしれません。正直、自分の思い込みのせいだと言われて納得はできないと思います。個人的な意見ですが、生まれや育った環境などが影響することはあると感じます。

ただアドラー心理学で伝えたいことは、私達の見ている世界は全員が共通しているものではなく、人それぞれ違う見え方をしているということです。

つまり、私達が劣等感を持つような欠点と思っている部分が、周囲にとっても欠点に見えるとは限らないそうです。

もう少しわかりやすく言うと、例えば、あなたが『背が低い』ということに劣等感を抱いていたとします。劣等感の理由は、『背が低いせいで異性にモテない』からだとします。

ここで少し考えてみてください。実際はどうでしょうか。客観的に見たとして、背が低いというだけで異性にモテないでしょうか?

男性や女性という性別に関係なく、むしろ『背が低い』からこそカワイイと思われて、『異性にモテる』かもしれません。

この『背が低い=モテない』のように、私達はそれぞれの主観で世界を見ています。『劣等感=悪い』というものも私達の主観であることを覚えておきましょう。

原因でなく目的に目を向ける

トラウマをデメリットにしているのは、私達がそう思い込んでいるだけで、自分がどうしたいのかに目を向ける必要がある。

過去のトラウマや劣悪な環境によってうまくいかないというのはよくあります。私自身、中学時代のイジメが原因で人とコミュニケーションをとるのが苦手です。

アドラー心理学によると、こういった過去の経験というのは、その人自身の行動に対して実際はなんの影響もないのだと説明しています。

「嘘つけ!」と思う方もいるかもしれません。正直、私も思いました。

過去の経験から影響を受けることは当たり前のことのように感じると思います。しかし、アドラー心理学によると、その過去のトラウマに影響力を与えているのは私達自身だそうです。

そこで『目的論』、つまり過去の経験ではなく未来に向かってどうしたいかという目的を持って行動することをアドラー心理学では語られています。

そう説明されても、あまり納得はいかないと思います。なので、劣等感をバネにした成功者をイメージしてみてください。彼らは過去のトラウマからどうして成功できたのでしょうか?

『トラウマ=悪い』と思っていた場合、成功するどころか行動を起こすことも無理なように思えます。つまり、成功者たちにとっては『トラウマ』というのは別の意味を持っていたわけです。

ではそれは何だったのでしょうか?

その一つは、トラウマを周囲との違う個性ととらえる方法です。劣等感を周囲との差と感じて、より努力したという話はみなさんも何となく聞いたことがあると思います。

つまり、トラウマや劣等感を原因にして行動を制限するのではなく、自分がどうしたいのかという目的を叶えるための手段として利用するということです。

一例ですが、私の場合、過去のイジメを言い訳にするのではなく、誰かとコミュニケーションをとりたい時に、あえて話のネタとして利用するようにしています。

必ずしも劣等感が悪いものというわけではなく、私達がそうした影響力を持たせてしまっているだけで、目的を叶えるための助けにもなることを理解しておいてほしいです。

普通であることを受け入れる?

コンプレックスから抜け出すとは、他者との競争というものを忘れ、そのままの自分を認めることを指している。

そもそも劣等感というのはどうして生まれるのでしょうか?

アドラー心理学では、劣等感というのは優越性を追求することで生まれるそうです。つまり、私達は傷つくことを恐れるあまり劣等感というものにして「劣っていてもしょうがない」と思うことで自分を守っているらしい。

実際にコンプレックスを抱えている人は「いや、事実として存在している」と否定したくなると思います。しかし、人によって世界の見え方が違うという話を前にしました。

自分にとってのコンプレックスを、他の人は不快なものとして受け取るかどうかは分からないわけです。

ということは、コンプレックスというのは私達自身の考える『理想の自分』『現実の自分』とのギャップから発生するということです。

では、そういったコンプレックスから抜け出すためにはどうすればいいのでしょうか?

アドラー心理学では、ありのままの自分を受け入れることだと説いています。つまり、誰かと比べたり、競争したりしないことだそうです。

ちょっと納得がいかないかもしれません。なので少し考えてみてください。そもそも学校でしていた勉強というのは何のために行っていますか?

よく成績で周囲と比べられていますが、大前提として学校の勉強は私達の将来のために行っていた筈です。

つまりその学校で一番を取ることよりも、私達の成長の方に価値があると思いませんか?

この自分の成長のために勉強をするという考え方が、ありのままの自分を受け入れるということです。

難しいとは思いますが、もしコンプレックスから抜け出したと思っている人は、ありのままの自分を受け入れ、自身の成長に目を向けてみてください。

さいご

今回は、劣等感との向き合い方について考えてみました。

要点をまとめると、

  • 劣等感が悪いというのも私達の主観
  • 原因ではなく目的をもって行動する
  • ありのままの自分を受け入れる

少しでも劣等感との向き合い方の役に立ってもらえると嬉しいです。

最後までお読み頂きありがとうございました。

コメント

タイトルとURLをコピーしました