こんにちは! 物書きの忍者です!
今回は、2017年に公開された実写映画『君の膵臓を食べたい』を紹介します。
みなさんの周りに、何か病を患っている知り合いはいますか?
この作品は、膵臓に病を抱え余命僅かの少女と、人と関わることを好まない少年が、病院で少女の忘れていった『共病文庫』というタイトルのついた日記を少年が拾うことをきっかけに始まります。
『1リットルの涙』や『世界の中心で、愛をさけぶ』など難病を抱えたヒロインを描いた作品は確かに多いです。
どれも素晴らしい作品で大好きですが、この作品にはそれらとはまた違った良いところが沢山あり、また映画の原作である小説の出版されたのが2015年と年代の開きが少ないことから、今回はこの映画を紹介しようと思いました。
これから紹介する話の要点は主に二つです。
- 本当に些細なことが心を揺さぶる
- 原作にない12年後がすごく良い!
一つずつ説明します。
本当に些細なことが心を揺さぶる
見せ場となる映画のシーンだけでなく、本当に些細なワンシーンから感情移入してしまうことがある。
この作品で一番に目を引かれるのは『君の膵臓を食べたい』というタイトルだと思う。これを見た多くの人が「どういう意味だろう?」と疑問に思うはずだ。
これは物語のヒロインである『山内桜良』(やまうち さくら)が主人公である『志賀春樹』(しが はるき)に言った言葉です。
桜良は膵臓に重い病を抱えていて、余命は僅かと医師に言われていました。君の膵臓を食べたいというのは、昔の人は自分の体の悪い部分と同じ部位を食べると、その部分が治るという話と共に、映画の初めの方でヒロインが主人公に言ったセリフです。
突然のカニバリズム発言など、この作品のヒロインは突拍子もない行動の目立つ、病人とは思えない様な天真爛漫な人物として描かれています。
中には「こんな女、現実にいるわけ無いだろ」と不快感を持つ方もいるかもしれません。しかし、そんなヒロインが主人公を巻き込んで行う『生きている間にやりたい事』をみてほしいです。
べつに『大金持ちになりたい!』とか『メッチャ偉くなりたい!』みたいに漠然とした願いではなく、高校生がすぐに実行できるような本当に些細な願いです。
みなさんも一度はやったことのあるような本当に些細なことです。それを、限られた寿命の中でやっていると思うと妙に感情移入してしまいます。
最近だと『余命100日のワニ』という作品もありましたが、大したことのない出来事なのに全く違う見え方をしてしまいます。
この映画ではヒロインの寿命が僅かだということを最初の段階で知られるために、物語全体を通して、見ていると今を真面目に生きようと意欲が湧いてくるところが魅力だと思っています。
原作にない12年後がすごく良い!
原作では書かれていない12年後の話が、役者さんの高い演技力もあって魅力的に描かれているのが見どころの一つ。
この作品の原作は小説であり、実はアニメでも映画化されています。しかし、私はできればこの実写映画を最初に見てほしいと思っています。
その理由は、実写映画でしか描かれていない12年後の話を見てもらいたいからです。
この映画では、原作小説と違い未来の主人公達を除いて大人があまり登場しません。
もう少し具体的に言うと、小説では主人公の母親などが物語の冒頭ですでに出てくるのですが、映画では最後の方になってようやくヒロインの母親が出るなど、後半になるまで親や先生のような大人が登場しません。
これは過去と未来の描写を混同させないための工夫なのかもしれませんが、この手法によって、最後まで主人公達の視点で物語が進みます。
なので、より主人公やヒロインに感情移入しやすくなっています。しかも、その12年後を演じておられる俳優さんの演技力が高いので、たとえ世界観に納得がいかなくても最後まで苦を感じずに見ていられると思います。
大きな話題にもなった作品でタイトルを知っている方は意外と多いかもしれません。もし、この作品をみたいと考えている方がいたなら、小説より先に実写映画から見始めることをオススメします。
さいご
今回は、2017年に公開された実写映画『君の膵臓を食べたい』を紹介しました。
この作品の見どころまとめると、
- 本当に些細なことが心を揺さぶる
- 原作にない12年後がすごく良い!
映画がどうしても無理という方は、原作小説を読んでみてください。
最後までお読み頂きありがとうございました。
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