グライダー人間を量産している【学校の授業は無駄なの?】

書評

こんにちは! 物書きの忍者です!

今回は、学校で授業を受けることは世間で言われているように無駄なのか考えてみたいと思います。

みなさんは、学校で授業を受けることをどう思いますか?

  • 時間の無駄
  • 効率が悪すぎる
  • あまり意味がない

などなど、否定的な意見が多いと思います。確かに、日本の法律では義務教育として小学校と中学校のあわせて9年間、高校と大学も含めるとおよそ16年間も時間を拘束されるわけですから、ユーチューバーなど『好きを仕事にする』ことに重点を置き始めた昨今では、自由を奪う環境は好ましく思われないのも理解できます。

ただ、世間で言われるような『学校=無駄』という考え方は、ちょっと極端なような気もしませんか?

だって、私達の殆どがその義務教育を経て、今を生きているわけですから。言われているように問題も多々あるかもしれませんが、だから必要ないというわけではない筈です。

今回は、外山滋比古さんの著書『思考の整理学』を参考にして、学校での授業を無駄と感じる理由を考えてみます。

グライダー人間を量産している

学校の授業を無駄と感じる一番の理由は、自分で考えず受け身でしか行動できない『グライダー』思考の人間を量産してしまう為である。

そもそも、なぜ学校での授業は無駄だと言われているのでしょうか?

その理由は、学校で習ったことが社会に出てからは殆ど役に立たないからだと言われています。確かに、社会人になってから重要視されるのは人とのコミュニケーションなどで、学校で習った知識を生かす機会は少ない気はします。

ただ、例えば筆記による入社試験の時や、外国人とのコミュニケーションで日本の歴史を話のネタにするなど、学校で習ったことが役に立つ場面も意外と存在します。習ったことが無駄になると言い切ることは難しいです。

では、学校の授業を無駄と感じる本当の理由は何なのでしょうか?

外山滋比古さんの著書『思考の整理学』では、学校での教育の悪いところは『グライダー人間』を量産してしまうところだと語っています。

「グライダー人間って何?」と疑問に思った方に説明すると、自分で考えず受け身でしか思考できない人を指した言葉です。

グライダーというのは滑空、上昇気流などの周りの力を利用して空を飛ぶ道具です。飛行機のようにエンジンを使って自力で空に飛ぶことが出来ないことから、誰かに指示されないと行動できない人を表しています。

学校というのは、口を開けた雛鳥にエサをやる様に、ただ何となく来た人たちに授業でものを教えるだけなので、受け身でしか考えられない人を量産していると本に書かれています。

言われてみると、よく『社畜』と表現されている人たちは、正しく、上司に言われるがまま仕事をしているので『グライダー人間』に当てはまるように思えます。

つまり、学校は自分で考えず受け身でしか行動できない人間を量産しているために、世間から無駄だと評価されているのだと考えられます。

学校での授業は無駄ではない

結論として、受け身になって漠然と学ぶことが悪いのであって、ちゃんと意識して身につけようと考えているなら、学校の授業は無駄ではない。

外山滋比古さんの著書『思考の整理学』では、『グライダー思考』の人間ではなく『飛行機思考』の人間を目指そうと語られています。

「飛行機思考って何?」と思った方に説明すると、エンジンを使って自力で飛ぶことのできる飛行機のように、自分の頭で考えて行動できる人を表した言葉です。

先程、学校の授業が無駄と言われるのは、自分の頭で考えない『グライダー人間』を生み出してしまうからだと結論を出しました。

確かに、学校では周囲に合わせることや、漠然と意味もなくやらせることを強制して『グライダー人間』を量産しているように感じます。

それは、殆どの社会で『社畜』という上司の指示通りに動く人間が重宝されているからでもあります。正直、マイナスのイメージが強いです。

ここで少し考えてみてほしいのですが、私達がこんな批判を考えていられるのはなぜでしょうか?

ソクラテスは『無知の知』なんて言葉を言っていたように、そもそも知らなければこんなことを考えることはなかった筈です。どこから『学校=無駄』と考えられる思考が生まれたのでしょうか?

その理由は、義務教育というシステムのおかげであり、つまり私達が小さい頃に学校でまともな教育を受けられたからだと推測できます。

「ちょっと待て、俺はまともに学校に行ってなかったぞ!」と疑問に思われる方もいるかもしれません。そこで、もう少しだけ考えてみましょう。

学校に行ったことのない方が何かを勉強しようとした場合、図書館で本を読むなど自力で学習するしかありません。ところで、その本は誰が書いているでしょうか?

学校に行っていない方が勉強する際に使う教材を作っているのは、ほぼ間違いなく学校で教育を受けてきた人たちだと思います。

ようするに『学校=無駄』と考えるのではなく、受け身になって指示されないと行動できないという『グライダー思考』をしないことが大切なのです。

もし周りの人よりも成長したいなら、学校の授業を批判する前に、自力で考えて行動できる『飛行機思考』になれるように努力してみませんか?

さいご

今回は、外山滋比古さんの著書『思考の整理学』を参考にして、学校で授業を受けることは世間で言われているように無駄なのか考えてみました。

要点をまとめると、

  • グライダー人間を量産している
  • 学校での授業は無駄ではない

確かに、日本の学校には無駄と思える部分が多くあると思います。ただ、それを批判して終わるのではなく、意識して学んでみようと行動してみましょう。

最後までお読み頂きありがとうございました。

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