こんにちは! 物書きの忍者です!
今回は、ドイツの哲学者ヘーゲルの『弁証法』について考えてみます。
みなさんは『弁証法』という言葉を聞いたことはありますか?
弁論術だとか、似たような言葉を聞いたことはあるかもしれません。ただ「それ、どういう意味?」と尋ねられた時、ちょっと回答に困る方がほとんどだと思います。
ここでは、誰かに聞かれてもすぐ答えられるように、ヘーゲルの唱えた『弁証法』について紹介しようと思います。
『真理』という主張のぶつかり合い!
先に結論から言ってしまうと、『弁証法』とは『対立する考えを戦わせ、新しい考えを生み出していく方法』を意味しています。
「どういうこと?」と疑問に思った方にわかりやすく説明すると、例えば「これは『三角』だ!」とある物体を見た人が言ったとします。
そこに「いや、どう見ても『四角』だ!」と同じ物体を指して誰かが言いました。これはつまり、『三角』だと主張している人に反論したわけです。
そこからさらに「お前ら何言ってんだよ、どっからどう見ても『丸い』だろうが!」と誰かが言い始めたとします。もう訳の分からない状況です。
ここに哲学者プロタゴラスがいたなら「まあ、価値観なんて人それぞれだから……」などと言って仲裁するかもしれません。
しかし、ヘーゲルはこの場で「よし! ならば戦争だ!」みたいなことを言って煽り、それぞれ考えを主張をした三人を議論で戦わせようとしました。
『三角』VS『四角』VS『丸』の戦いです。
ところで、ちょっと話は変わりますけど、みなさんはハミガキ粉の形ってどんなだったか思い出せますか?
あれって、真横から見ると『三角』、真正面から見ると『四角』で、上から見ると『丸』く見えませんか?
つまり、『三角』であり『四角』でもあり『丸』でもあるわけです。
このように、戦わせた主張を掛け合わせて、最終的に『ハミガキ粉の形』のような新しい考えを見つけていくことを『弁証法』と言います。
後人に託す『真理』の探究
そもそも、ヘーゲルはなぜ『弁証法』なんてものを考えたのでしょうか?
その理由は、哲学者たちにとって永遠のテーマでもある『真理』を見つける為でした。
「真理と弁証法にどんな関係があるんだよ?」と疑問に思うかもしれません。『弁証法』とは『対立する考えを戦わせ、新しい考えを生み出していく方法』でした。
ところで、少し考えてみてほしいのですが、その『新しい考え』を否定する考えが出た場合、どうなると思いますか?
当然、その『否定する考え』と『新しい考え』を戦わせて、『より新しい考え』を生み出そうとします。つまり、やりようによっては無限に戦いが起きるわけです。
そして、戦った結果生み出された考えというのは、今迄に出たすべての考えの矛盾を経て完成された『最も優れた考え』になります。
ヘーゲルはこの『最も優れた考え』こそ哲学者の求めている『真理』であると考えました。
ようするに、誰かが「これこそ真理だ!」と主張したことを「いや、そうじゃない!」と否定する考えを誰かが言うことを無限に続けて『誰も否定できないような真理』を生み出そうとした方法が『弁証法』だったわけです。
さいご
今回は、ドイツの哲学者ヘーゲルの『弁証法』について紹介しました。
まとめると、
- 『真理』という主張のぶつかり合い!
- 後人に託す『真理』の探究
自分と相手の考えを言い合って答えを出すわけですから『弁証法』はある意味で、あたり前ともいえる考え方です。
ただ、そうできない方と言うのも一定数いますし、大事な考え方だと思います。それに、ヘーゲルは国家なんかの発展にも必要だと言っていますから、覚えておいて損はないと思います。
最後までお読み頂きありがとうございました。
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