こんにちは! 物書きの忍者です!
今回は、フランスの哲学者サルトルの『アンガージュマン』について紹介します。
みなさんは『アンガージュマン』という言葉を聞いたことはありますか?
「なんだそれ?」と思った方が大半かもしれません。そもそも、サルトルという哲学者についても、よくわからないと答える方が殆どだと思います。
ここでは、そのサルトルの唱えた『アンガージュマン』とは何かを紹介していきます。
主体的になって歴史とかかわれ!
先に結論から言うと、『アンガージュマン』というのは『社会参加』を意味する言葉です。
もっとわかりやすく言うと、「もっと主体性を持って社会に関わっていけよ」みたいなことを示唆しています。
「は? 何でそんなことをお前に命令されなきゃいけないんだ?」と思ったかもしれません。言い訳をさせてもらうと、書いている私にそんな意図は微塵もありません(汗)
どういうことなのか説明をする前に、復習をさせてください。キルケゴールの『実存主義』を覚えていますか?
その際に、キルケゴールの『実存主義』とは『今を生きている人間個人に重点を置いた考え方』だと説明しました。
しかし、サルトルの提唱する『実存主義』は少し違っています。
「お前、嘘を教えたのか!」と思われたかもしれません。しかしそうではなく、簡単に言うと『人間は、その本質をあらかじめ決められていないにもかかわらず、現実に存在している』というのがサルトルの『実存主義』になります。
そして、『人間の本質』というのは後から形作られていくもので、そのために『社会参加』をするべきではないかというのが『アンガージュマン』の意味になります。
本質の前に人間は存在している
突然ですが、『実存は本質に先立つ』という言葉を聞いたことはありませんか?
これはサルトルの残した言葉で『殆どのものは本質の後に実存しているが、人間は本質の前に実存している』という意味です。
もう少しわかりやすく説明すると、例えば、ガラスのコップを思い浮かべてください。あれは『液体を入れて飲む』という『目的』を円滑に行うために作られました。
このように、現実に存在しているものというのは、生み出される前から『目的』がはっきりしているわけです。
では私達『人間』はどうでしょうか? 生まれた時点で『目的』って決まってますか?
中には「親に決められてるだろ!」みたいな意見もあるかもしれません。しかし、私達にとって生まれた時点で『目的』のないのが普通だと思います。
つまり、私達人間はガラスのコップとは違い、生まれる前に『目的』のはっきりしない状態でも現実に存在しているわけです。これを『実存は本質に先立つ』とサルトルは表現しました。
さいご
今回は、フランスの哲学者サルトルの『アンガージュマン』について紹介します。
まとめると、
- 『アンガージュマン』というのは『社会参加』を意味する言葉
- その理由は、人間は本質の前に実存していて『目的』という指針を必要とするから
最後までお読み頂きありがとうございました。
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