新薬がすぐに出てこない理由【なぜ有効なワクチンはすぐ承認されないのか】

知識

こんにちは! 物書きの忍者です!

今回は、病に有効であるはずの新しいワクチンや新薬がすぐに出てこない理由について紹介します。

みなさんは、今まで新しい薬がなかなか世に出てこないことを不思議に感じませんでしたか?

「有効な薬が出来たならすぐに出せよ!」と思った方はいる筈です。それほど、ウイルスが流行している中で、対抗するワクチンが作られたことで事態を収束するという話はあまり聞きません。

嫌な言い方になりますけど、私達の知っているような大流行では、自己治癒力なんかで長い期間をかけて自然に収まるケースがほとんどだと思います。

ここでは、なぜ必要とされる状況で新薬が出てこないのか、その理由について紹介していきます。

新薬がすぐに出てこない理由

先に結論から述べますと、新薬がすぐに出てこない理由とは『検査にものすごく時間がかかる』ためです。

もう少し具体的に説明すると、実は、新薬がすぐに出てこないのは『薬を開発する期間』以上に、治験(ちけん)と呼ばれる『薬を検査する期間』に長い時間をかけているためなのです。

そのため、開発途中で病の流行が終わってしまうと、その薬の開発を終了してしまうこともあるためです。

こんな言い方をすると「ふざけるな!」と思われた方もいるかもしれません。しかし、これにはちゃんとした事情があります。

ここでちょっと質問なんですけど、例えばの話、猫背で変な笑い方をする白衣を着た見るからに怪しい老人が、ブクブクと妙な泡と煙を出す薬を手にしながら「これは今まさに流行している病の特効薬だ!」とか言ってあなたに勧めてきたとしたら、その薬を飲みますか?

そんな怪しい薬を飲もうと考える方は絶対にいない筈です。ようするに何が言いたいかというと、仮に『病に有効とされる薬』が開発されたとしても、その『効能の信頼性』『薬の安全性』をちゃんと確認しなければいけないわけです。

そうした『効能の信頼性』『薬の安全性』を確認するため、『検査にものすごく時間がかかる』のです。

出来たばかりの新薬には副作用がある?

しかし、そうはいっても「安全性とかどうでもいいから、出来たんだったらすぐによこせ!」と考える方はいる筈です。ウイルスが蔓延している時なんかは、不安になっているので特にそう感じると思います。

ここで重要になってくるのが『副作用』というものです。そもそも、私達の身近にあるワクチンというものには、その効能が強いものほど、それに対応した『副作用』が存在しています。

例えば、市販されているような薬を飲んで、何故かお腹が痛くなってしまったという経験はありませんか?

ワクチンは私達の体に影響を及ぼすものですから、そこにはどうしても『病に対抗する』みたいな効果以外に悪い影響を出してしまう可能性があるわけです。

実際、今ほど検査に重点を置いていなかった時代にあった話で、ある日「これは病の特効薬だ!」と学会で発表された薬が、調べてみると、病に効果がある代わりに寿命を削ることになっていたという恐ろしい事実が後で見つかることもありました。

このように、たとえ流行している病を完全に治すことのできる薬だったとしても、その薬が新しい病を流行させてしまう引き金になる可能性もある為、すぐ人体で試すようなことをせずに長い時間をかけて検査をしているのだと思っておきましょう。

プラシーボ効果のデメリット

なかには「そんな検査なんてすぐ終わるんじゃないの?」と思われた方もいるかもしれません。確かに、極端な言い方をすると、薬を飲んでその効果をみるだけですから、すぐに終わりそうな気もします。

しかし、ここで問題になってくるのが『プラシーボ効果』と呼ばれるものです。

これは『偽薬効果』とも呼ばれるもので、簡単に説明しますと『飲んだ薬の効果に関係なく、効果を発生させてしまう』状態を指します。ようするに、検査のために飲んだ薬の効能に関係なく、思い込みだけで病を治してしまうことがあるわけです。

こうした人も出てきてしまうために、治験では『新薬を飲む被験者』『何の効果もない薬を飲む被験者』に分けて検査をしてます。

加えて、服用した薬の効果がすぐに出てくることは少ないです。そのため、クスリの効果が出るまで待つ期間も必要になります。

これらはあくまで検査のほんの一部であり、その薬の用途に合わせた専門的なものも含めれば、検査する項目や内容はもっと膨大になります。それらを調べるわけですから、そこには優秀な人材と時間、それに資金なんかも大量にいる筈です。

ようするに『効能の信頼性』『薬の安全性』を確認するためには、メチャクチャ優秀な人達がその能力を最大限に生かして、異常ともいえる労力、そして長い時間とお金をかける必要があるのだと思っておきましょう。

さいご

今回は、病に有効であるはずの新しいワクチンや新薬がすぐに出てこない理由について紹介しました。

まとめると、

  • 新薬がすぐに出てこない理由とは『検査にものすごく時間がかかる』から
  • その理由は、『効能の信頼性』や『薬の安全性』を確認するため
  • 新薬の開発には、優秀な人材と時間、それに資金なんかも大量に必要

最後までお読み頂きありがとうございました。

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