こんにちは! 物書きの忍者です!
今回は、哲学者レヴィ=ストロースの唱えた『構造主義』について紹介します。
みなさんは、『構造主義』という言葉を聞いた事はありますか?
「なんだそれ?」と言いたくなった方が大半だと思います。正直、聞いた事のある方というのはとても少ない筈です。
『構造主義』についてざっくり説明すると、哲学者たちの間でそれまで流行していた『実存主義』という考えを否定する哲学を表しています。
この時「そもそも、その『実存主義』って何」と思われた方は、前に紹介した記事があるので、それを読んでみてください。
ここでは、言葉だけでは想像のしづらいレヴィ=ストロースの唱えた『構造主義』という考え方について紹介していきます。
構造主義とは?
先に結論から述べますと、構造主義とは『目に見えない物事の仕組みを分析して、人間の様々な事を明らかにしよう』とする考え方の事です。
たぶん、こう説明されても殆どの人が「何言ってんだ、お前?」と思う筈です。なので、少しだけ話を変えさせてください。
そもそも構造主義というのは、『実存主義』というそれまでに流行していた考え方を否定するような形で生まれました。
『実存主義』とは、ものすごく簡単に言ってしまうと『人間一人一人の存在に重点を考え方』のことで、歴史みたいなものは、その時代や時の流れと共に私達人類の手によって進化していくのだという哲学でした。
そうした考えから『アンガージュマン』という言葉を提唱していた哲学者サルトルに対して、「それは少し傲慢なんじゃないか?」という懐疑の目を向けたのがレヴィ=ストロースです。
もう少し具体的に説明します。『アンガージュマン』というのは「積極的に歴史に関われ!」みたいなことを私達に投げかけている言葉なんですけど、そもそも、その歴史に関わるってどういうことなのでしょうか?
イメージとしては学生運動やデモ活動を多くの方が思い浮かべる筈です。ここで少し考えてみてほしいんですけど、そうした過激とも取れる行動が、実存主義でいう『人類の手で歴史を進化させる』ことにつながると思いますか?
まるで「先駆者である自分達の手で歴史をつくっていこう!」とでも言いたげな考え方に反発し、それ以外に歴史を動かしている目に見えない何かが存在するのだとレヴィ=ストロースは考えました。
そして『目に見えない物事の仕組みを分析して、人間の様々な事を明らかにしよう』という構造主義という新しい考え方をレヴィ=ストロースは提唱したわけです。
『未開人』とは別の考え方を持つ存在?
そもそも、なぜ『構造主義』という考え方が生まれたのでしょうか?
単純に、実存主義という考え方に反発しただけで『目に見えない物事の仕組みを分析して、人間の様々な事を明らかにしよう』なんて考えに至れるか疑問に感じる筈です。
その理由を簡単に説明すると、構造主義という考え方を提唱した哲学者レヴィ=ストロースが、『人類学の研究者』でもあった事が関係しています。
彼は人類学の研究者として、当時発展していた西欧だけでなく、他の国や地域の文化や社会についても研究していました。
そこで、西欧では『未開人』として、まるで文明を知らない野生人のように扱っていた他の地域の文化が、実は西欧とは違う形で進化してきただけでちゃんと理にかなっている『構造の違う考え方』だとレヴィ=ストロースは気付きました。
そこから「ひょっとして、私達の推し進めようとしているのは、単に西欧中心の考え方なんじゃないか?」と実存主義に疑問を持ち始めます。
そして、西欧で推し進めていた『たった一つの真理』みたいなものは存在せず、その住んでいる地域や文明によって考え方はそれぞれ違うのではないかと表現したのが『構造主義』という考え方なわけです。
さいご
今回は、哲学者レヴィ=ストロースの唱えた『構造主義』について紹介しました。
要点をまとめると、
- 構造主義とは『目に見えない物事の仕組みを分析して、人間の様々な事を明らかにしよう』とする考え方のこと
- まるで「先駆者である自分達の手で歴史をつくっていこう!」とでも言いたげな考え方に反発し、それ以外に歴史を動かしている目に見えない何かが存在するのだと考えた末に生まれた
最後までお読み頂きありがとうございました。
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