こんにちは! 物書きの忍者です!
今回は、哲学者デューイの『プラグマティズム』について紹介します。
みなさんは、『プラグマティズム』という言葉を聞いた事はありますか?
たぶん、聞いた事のない方がほとんどだと思います。
ここでは、あまりなじみのない『プラグマティズム』とはどういう考え方なのか紹介していきます。
プラグマティズムとは?
結論から先に言いますと、プラグマティズムとは『実際の生活に役立つかどうかを考えよう』という考え方の事です。
『道具主義』や『実用主義』と呼ばれることもあります。ようするに「役に立つかどうかもわからない真理を求めるのはやめて、実際の生活に役立つかを重視しよう!」と唱えたわけです。
客観的に見ると、『絶対的に正しい真理』みたいなものを求めてきた従来の哲学を否定しているようにも捉えられます。実をいうと、プラグマティズムという考え方は、まさにそれまで発展してきた哲学に疑問を感じたことで生まれました。
どういうことかというと、そもそも、従来の哲学では『絶対的に正しい真理』を求めて「その本質とは何か?」みたいなことをずっと議論してきました。
ここで質問なんですけど、ぶっちゃけた話、この議論による結論って出るんでしょうか?
というか、仮に結論が出たとして、それは私達の生活の役に立つんですかね?
そうした従来の哲学に対するちょっと否定的な考えから、プラグマティズムという『実際の生活に役立つかどうかを考えよう』みたいな新しい考え方が生まれたわけです。
嘘であっても真理になる?
従来の哲学では結論がいつ出るのか、そもそも出てきた結論は役に立つ者なのか怪しいため、プラグマティズムという新しい考え方が生まれたと話しました。
この時「あれ? それって前にもなかった?」と思われた方がいるかもしれません。じつは、従来の哲学に懐疑の目を向けて、新しい哲学の生まれることは今までにもありました。
というか、哲学者キルケゴールの唱えた『実存主義』でいうところの『今を生きている私達個人のための真理』なんかは、まさにプラグマティズムの考え方に近いような気もします。
「じゃあ、同じなんじゃねぇか!」と思われたかもしれません。しかし、プラグマティズムには今までの哲学とは根本的に違うところがあります。
それを一言で言ってしまうと『ときに嘘でも真理になる』という部分です。
「は?」と言いたくなった方のために説明しますと、そもそもプラグマティズムが生まれるまでの従来の哲学は『近代哲学』とも呼ばれ『人間の理性によって真理に到達しよう』という考え方でした。
しかし、その時代では経済の成長と共に化学兵器などの登場により、頻繁に戦争が起きるようなひどい状態で、最終的には世界大戦まで起きてしまいました。正直な話、「人間の理性って碌なもんじゃないな……」という考え方が生まれてしまったわけです。
そうして、人の理性から答えを出そうとする従来の哲学における『絶対的に正しい真理』なんてものは本当に必要なのかという疑問が生まれました。
そこで哲学者デューイは「そもそも理性って、俺達が『生きるために必要とする道具』でしかないんじゃないの?」という考えに至ります。これが『道具主義』とも呼ばれるプラグマティズムです。
つまり、たとえそれが嘘だったとしても『生きるための道具』として私達の生活の役に立つのなら、嘘であっても真理になりえるという考え方なわけです。
さいご
今回は、哲学者デューイの『プラグマティズム』について紹介しました。
まとめると、
- プラグマティズムとは『実際の生活に役立つかどうかを考えよう』という考え方のこと
- 今までの哲学に対するちょっと否定的な考えから、プラグマティズムは生まれた
- 従来の哲学との大きな違いは、たとえ嘘だったとしても『生きるための道具』として私達の生活の役に立つのなら、嘘であっても真理になりえるというところ
最後までお読み頂きありがとうございました。
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