元はペルシャの王に妻が毎夜語るお話【アラビアンナイト】

書評

こんにちは! 物書きの忍者です!

今回は、アラビア語で語り伝えられてきた物語集『アラビアンナイト』を紹介します。

みなさんはアラビアンナイトをご存じですか?

  • とにかく長いファンタジー
  • アラビア語で書かれた物語集
  • ディズニー映画であるアラジンの原作

日本では『千夜一夜物語』とも呼ばれていて、『船乗りシンドバッドの冒険』『アラジンと魔法のランプ』など誰もが聞いたことのある御伽噺の元となった話の描かれている物語集のことです。

みなさんも絵本でその御伽噺の一部を読んだり、内容の一部をモチーフにした映画やアニメを見たことがあると思います。

しかし、この原作を読んだことが無かったり、そもそもアラビアンナイトが一つの物語であると知らない方もいる筈です。

そこで、今回はアラビアンナイトとはどのような話なのか紹介したいと思います。

話の要点は主に三つです。

  • 元はペルシャの王に妻が毎夜語るお話
  • きっかけはヨーロッパから始まる
  • 実はアラビアンナイトは1000話もなかった?

具体的に説明します。

元はペルシャの王に妻が毎夜語るお話

アラビアンナイトとは、毎日のように生娘を殺していたペルシャ王の妻になった『シェヘラザード』が身を守るために、王様に対して毎晩語り部として数多くのお話をする物語である。

そもそも、アラビアンナイトとはどのようなお話なのでしょうか?

簡単に言ってしまうと、この物語は『シェヘラザード』というお姫様が語り部となり、ペルシャの王様に毎晩お話をする構成になっています。つまり、このお姫様のしてくれるお話というのがアラジンシンドバッドの原作になるわけです。

では、語り部でもあるシェヘラザードは、なぜ毎晩ペルシャの王様に対して物語を語る必要があるのでしょうか?

それは、自分の命を守るためです。

これだけだと意味が分からないと思います。もう少し理由を説明すると、このペルシャの王様に関係があります。

『シャフリヤール』というペルシャの王様はある時、自分が城を留守にしている間に妻が奴隷達と不倫をしていることを知ってしまいます。

その後、妻と奴隷たちの首をはねたシャフリヤールは女性不振になってしまい、毎晩のように生娘を妻にしては、次の日の朝には殺してしまうことが習慣になってしまいます。

そんな時に、最後に妻に迎えた女性こそがシェヘラザードであり、彼女は自分が殺されないようにするために、毎晩シャフリヤールに面白い話を聞かせて、次の日に続きが気になるように途中で話を終わらせることで自分の身を守ったわけです。

つまり、自分の命を守るためにシェヘラザードが王様に毎晩語り続けるというのが、アラビアンナイトという物語のあらすじであり、その時に語られる話というのが私達のよく知る御伽噺の原作にあたるわけです。

きっかけはヨーロッパから始まる

広まるきっかけは、フランスの東洋学者『アントワーヌ・ガラン』が翻訳したことであり、ヨーロッパで一大ブームになったことが始まりである。

アラビアンナイトとは、いつ頃から広まったのでしょうか?

そのきっかけは、ルイ14世に仕えていたフランスの東洋学者『アントワーヌ・ガラン』が『シンドバッド』という商人の物語がアラビア語で書かれた写本を手に入れたことから始まります。

写本に書かれていた物語に魅了され、彼はアラビア語で書かれた写本の翻訳を始めました。

その後、シンドバッドの物語が『千一夜』という大きな物語の一部だと知り、その写本を見つけると、ガランは1704年にアラビア語で書かれていた千一夜を翻訳した本をヨーロッパで出版します。

このことがきっかけとなり、ヨーロッパで一大ブームになり、世界中に知られるようになったのです。

実はアラビアンナイトは1000話もなかった?

日本で『千夜一夜物語』とも呼ばれていますが、最初アラビア語で書かれた原作には282話しか描かれていなかった。

長大なファンタジーであるアラビアンナイトですが、実はアラビア語で書かれていた最初の写本には1000もお話が書かれていなかったそうです。

「千夜一夜物語って呼ばれてるのに嘘だろ?」と思ったかもしれません。

もともとは282の話が描かれていたのですが、千一夜というタイトルにも書かれている数に足りなかったことから、翻訳をしたガランは、1709年にアレッポという都市のキリスト教徒から『アラジン』『アリババ』など17の物語を聞きました。

このようにアラビア語で書かれた原作に、翻訳の段階で加筆されていき、1000以上の物語になったそうです。

では、『千一夜』とあるのにアラビア語で書かれた残りの原作はどこにいったのでしょうか?

一説によると、アラブやトルコでは『千一』という言葉には『非常にたくさん』という意味があるそうです。

もっとわかりやすく言うと、日本の『八百万』という言葉と同じで、多くの物語があると表現しているだけで、数字としての意味があるのではないそうだ。

つまり、アラビア語で書かれた原作の『千夜一夜物語』には実際に1000のお話が書かれていたわけではないらしい。

さいご

今回は『アラビアンナイト』を紹介しました。

要点をまとめると、

  • 元はペルシャの王に妻が毎夜語るお話
  • きっかけはヨーロッパから始まる
  • 実はアラビアンナイトは1000話もなかった?

これをきっかけにして、原作に興味を持ってくれる方が増えてくれると嬉しいです。

最後までお読み頂きありがとうございました。

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