こんにちは! 物書きの忍者です!
今回は、2006年に公開された映画『ブレイブストーリー』を紹介します。
この映画は、ミステリでよく知られている作家の宮部みゆきさんの描いたファンタジー小説を原作にした作品です。
ミステリを普段書かれている作家さんだからなのか、普通の冒険ファンタジーと少し違い、ドロドロとした現実味を持った部分が所々にみられます。そこがスゴク面白いです!
この作品は、父親が昔好きだった女性と一緒になる為に離婚を切り出し、そのショックから母親が自殺未遂を起こすという、酷い境遇に置かれた小学生『三谷亘』(ミタニ ワタル)が主人公です。
そんな状況で、メチャクチャになってしまった家族を元に戻そうと、幻界(ヴィジョン)という異世界にいるどんな願いでも叶えてくれる『運命の女神』に出会うために主人公が冒険に出るという話です。
これから、この作品の魅力について紹介します。
現実味を持った冒険ファンタジー
この作品の魅力は、ファンタジー小説らしい、ただ夢いっぱいの空想世界を描いているわけではなく、冒頭から酷く現実的な要素を取り入れている。
この作品の見どころは、ワクワクするような冒険ファンタジーの要素に、ミステリらしい細やかな人間関係や心理描写が含まれていることです。
例えば、この作品の導入部で、主人公である『ワタル』は離婚してしまった家族を元に戻すために異世界へ冒険に出ようとしています。ファンタジー小説にしては、少し重い動機のように感じます。
冒頭で語られるワタルの理由が暗いために幻界(ヴィジョン)での冒険も暗くなるのではと思ってしまいますが、そんな考えに反して、異世界ではドラゴンが出たり、化物と戦ったりとファンタジー小説らしい展開が繰り広げられます。
むしろ、『離婚で崩壊した家族を元に戻す』というリアルな動機を最初に取り入れたことで、後のファンタジー部分がより鮮明なものに見えてきます。
しかも、ただファンタジー小説らしい冒険をするだけではなく、ワタルよりも酷い境遇でそんな運命を変えるために冒険をしている『芦川美鶴』(アシカワ ミツル)など、人間味のある登場人物が沢山でてきます。
そして、そんな魅力的な登場人物たちの描写が、まるでミステリ小説のキャラの会話のように感じる程、その心情を細かく描いています。
冒険ファンタジーでありながら、ただのファンタジーらしくないところがこの作品の魅力であり、私の好きなところです。
小説より明るく、世界観に入り込みやすい
原作小説ではなくアニメ映画をオススメする理由は、小説では現実世界でのドロドロした部分が長く描かれており、少し受け入れにくいと感じたからである。
よく小説を原作にした映画に対して「映画をみるくらいなら、小説の方を読んだ方がいいだろ?」と考える方は一定数いると思います。確かに、多くの場合、原作の方が内容も濃く面白いのかもしれません。
なのに小説の方ではなく映画の方をオススメしているのは、映画の方が多くの人に受け入れてもらいやすいと感じたからです。
原作となる『ブレイブ・ストーリー』は上下二巻にも及ぶ長編作品で、序盤は主人公のワタルが冒険に出るまでの日常を描いています。そこが思いのほか暗く、ワクワクするようなファンタジーを読もうと手に取った方が途中で挫折してしまう程、ドロドロした印象を受けます。
そこがこの作品の魅力でもあるのですが、少しでも多くの方にみてもらいやすいのは、アニメで表現されている映画の方だと感じたので、アニメ映画をオススメしています。
もちろん、映画になったからと言って魅力が落ちているわけではありません。むしろ、小説より世界観に入り込みやすいと思います。
なので、私個人としては、映画をみた後に原作を読んでもらうのがこの作品の魅力を感じる一番の方法だと思っています。元は同じでも、どちらも違った魅力があるので、ぜひみてほしいです。
さいご
今回は、2006年に公開された映画『ブレイブストーリー』を紹介しました。
要点をまとめると、
- 現実味を持った冒険ファンタジー
- 小説より明るく、世界観に入り込みやすい
面白い冒険ファンタジーなので、楽しんでもらえると嬉しいです。
最後までお読み頂きありがとうございました。
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