物語の舞台は日本の岩手県?【銀河鉄道の夜】

書評

こんにちは! 物書きの忍者です!

今回は、宮沢賢治さんの作品『銀河鉄道の夜』を紹介します。

みなさんは銀河鉄道という言葉から何を連想しますか?

  • アニメの銀河鉄道999!
  • たぶん宇宙を走る列車?
  • なんとなく、天の川と関係ある気がする

とても有名な作品なので、タイトルを聞いたことのある人は多い筈です。ただ、混同されることの多い『銀河鉄道999』とは全く関係ありません。

この作品は、主人公の少年ジョバンニが親友のカムパネルラと共に宇宙空間を走る列車に乗って旅をしている童話です。この部分を知っている方は多いかもしれません。

ただ、『銀河鉄道の夜』がどういったお話なのか実際に読んだことのある方は少ないと思います。難しい用語にあたり途中で挫折してしまった方もいる筈です。

そこで、今回はそんな人に向けて簡単な説明をしようと思います。

これから紹介する話の要点は主に三つです。

  • 物語の舞台は日本の岩手県?
  • 主人公は病気の母を持つ少年
  • 銀河鉄道は死者の乗る列車

具体的に説明します。

物語の舞台は日本の岩手県?

この作品は、外国のような雰囲気を出しながら、実は日本の岩手県を舞台にしており、そこから『銀河鉄道』という異世界へ誘うように表現されている。

まず、この作品はどこを舞台としたお話なのでしょうか?

多くの方がジョバンニカンパネルラといったカタカナの名前が出てくることから何となく外国の話ではないかとイメージすると思います。

実は、この『銀河鉄道の夜』の舞台は作者である宮沢賢治さんの出身地でもある岩手県と言われています。

「ちょっとおかしくないか?」と考える方もいるかもしれません。確かに、冒頭を読むだけでも分かるように、日本人にしては洒落た名前の登場人物に、日本とは思えない様な幻想的な風景が出てきます。

この作品は、作者の出身でもある岩手をそのまま利用するのではなく、天の川南十字星といったものを取り入れた宇宙空間とも違う架空の世界として描いています。

有名な話ですが、作者である宮沢賢治さんは、書かれた作品の中に登場する理想郷に『イーハトーブ』と名付けていました。

このことから出身地である岩手県への思い入れを感じると同時に、登場人物の名前からもわかる世界観の綺麗さがこの童話を人気にした要因の一つかもしれません。

主人公は病気の母を持つ少年

この物語の主人公は、病気の母親と漁でずっと家に帰って来ない父親がいる、貧しい家の少年『ジョバンニ』です。彼と親友の『カンパネルラ』の旅が、この作品の見どころでもあります。

そもそも『銀河鉄道の夜』とはどんなお話なのでしょうか?

物語は、天の川についての授業が学校で行われている場面から始まります。

この授業の時、天の川について先生に質問され、答えを知っていながらも答えることのできなかった気弱な少年『ジョバンニ』が主人公です。

ジョバンニの後に指名され、知っている筈なのに彼に気を遣って先生の質問に答えを言わなかった頭の良い親友『カンパネルラ』との冒険がこの作品の中心になっています。

ある時、ジョバンニは病気である母親のために、家に届いていなかった牛乳を取りに牧場に向かいます。しかし担当者がいなかったために牛乳をもらえず追い返されてしまいます。

途中で出会った『ザネリ』という同級生たちにからかわれた後、『天気輪の柱』というもののある丘で途方に暮れるジョバンニ

すると、「銀河ステーション」という謎のアナウンスと共に、気が付くとジョバンニ銀河鉄道に乗っていました。

いつの間にか一緒にいたカンパネルラと二人でその銀河鉄道に乗って冒険をするというのが作品の中心になります。

銀河鉄道は死者の乗る列車

物語の後半になると、乗客から氷山にぶつかった船の話などが出てきます。そのことから、銀河鉄道に乗っているのは死者なのではないかと徐々に感じるようになる。

この『銀河鉄道』とは一体何なのでしょうか?

物語の中ではっきりと明言されているわけではありませんが、登場人物の会話から銀河鉄道というのは、死んだ人間の乗る列車だということが徐々に明らかになってきます。

そう思わせる印象的な会話は『鷲の停車場』というところで出会う家庭教師をしていたという大学生の青年の話です。

彼は乗っていた船が氷山にぶつかり沈んでしまったとジョバンニたちに言います。この話を聞いてみなさんは何か気付きませんでしたか?

『氷山にぶつかり沈んだ船』と聞いてタイタニックを連想した方はいると思います。実際にタイタニック号が沈没したのが1912年で、この作品の描かれる前の話であり、それから何十年も経っているわけではありません。

そのことから、このタイタニック号の事件を作品の中に取り入れたのではないかと言われています。

沈没した船に乗っていた筈の人物がいる列車。そこから、銀河鉄道というのは死者を乗せる列車なのだということがわかります。

では、銀河鉄道に乗っているジョバンニカンパネルラも死者なのでしょうか?

そこで重要になってくるのが、ジョバンニの持っていた他の人とは違うという特別な切符です。つまり、彼だけは別の目的で列車に乗せられていたわけです。

その理由が何なのかは、ぜひ作品を実際に読んでみて確認してほしいです。

さいご

今回は、宮沢賢治さんの作品『銀河鉄道の夜』を紹介しました。

まとめると

  • 物語の舞台は日本の岩手県?
  • 主人公は病気の母を持つ少年
  • 銀河鉄道は死者の乗る列車

とても綺麗な表現が多い作品なので、興味のある方は軽く覗いてみてください。

最後までお読み頂きありがとうございました。

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