人それぞれという考え方は大昔からあった?【「人間は万物の尺度である」って何?】

哲学

こんにちは! 物書きの忍者です!

今回は、古代ギリシアの哲学者プロタゴラスの残した「人間は万物の尺度である」という言葉について紹介します。

そもそも、みなさんはプロタゴラスという人物を知っていますか?

たぶん、知らないという方が殆どだと思います。正直な話、私も少し前まで聞いたことすらありませんでした(汗)

簡単に説明すると、プロタゴラスとは、紀元前485年ころから紀元前410年ころに活躍したギリシアの哲学者です。

つまり古代ギリシア、有名な哲学者ソクラテスが登場した時代と考えるとイメージしやすいかもしれません。実は、当時のソクラテス以上に人気を持っていたのがこのプロタゴラスという人物です。

「嘘つけ!」と思ったかもしれません。これから、なぜプロタゴラスは古代ギリシアで人気だったのか、「人間は万物の尺度である」という言葉の説明と共に紹介していきます。

人それぞれという考え方は大昔からあった?

古代ギリシアでプロタゴラスが人気であった理由を言うと、彼の主張した『相対主義』という考え方がその時代の人に受け入れられたためである。

「相対主義って何?」と疑問に思った方に説明すると、『正しい事というのは人や時代や場所によって違う』という考え方のことで、もっと砕けた言い方をすると「感じ方とか人それぞれだろ?」みたいな思想を意味しています。

最近だと、趣味でさえ本当に幅広い分野があり、『人によって価値観の違いがある』というのは何となく分かるかもしれません。ただ、納得のいかない方もいると思います。

例えば、『よく冷えた水』を持っている姿を想像してみてください。気温が徐々に上がっているので、こまめな水分補給は大切です。室内でも熱中症には気をつけましょう!

少し話は逸れましたが、その時にあなたが北極にいたとしたらどうしますか? その水は冷たいと言えるのでしょうか?

屁理屈に聞こえるかもしれませんが、このようにその人や環境によって絶対にそうとは言い切れない状態があるという考え方を示しています。

プロタゴラス「人間は万物の尺度である」という言葉もこの相対主義から出てきたもので『この世のありとあらゆるものはすべて私達の基準で決められている』という意味です。

昔の人は迷信を信じて凝り固まった考え方をしているイメージを持っていた方には意外かもしれませんが、『人によって感じ方は違う』という考えは大昔からあったわけです。

口の上手い政治家は大昔にもいたから

では、その相対主義を主張したこととプロタゴラスが古代ギリシアで人気になったことにどんな関係があるのでしょうか?

それを理解するためには、前提として当時の古代ギリシアでは民主主義が盛んであったことを知っておく必要があります。

つまり、民衆が選挙権を持っていて、政治家は納得のいく主張をして民から支持を集めなければいけなかったわけです。現代の日本の政治家が「私に清き一票を!」みたいなことを言っているのと同じなので、イメージはしやすいと思います。

当然、民衆から支持を得るためには口が上手くないといけませんし、自分の主張を相手に論破されることも「お前、嘘を言ってたのか?」と反感を持たれるかもしれないので避けなければいけません。

そこで、少し考えてみてください。相対主義って『人によって感じ方は違う』という考え方で、前に水を例えにした屁理屈を言ったように、やりようによっては『どんな主張でさえ否定も肯定もできる』わけです。

もしあなたが政治家だったなら、そんな便利な方法を見つけて放っておきますか?

古代ギリシアの政治家たちは、相対主義という考えに飛びつき、プロタゴラスに教えを請うようになりました。こうして、彼は当時の古代ギリシアで私達のよく知るソクラテス以上に人気のある哲学者になったわけです。

さいご

今回は、なぜプロタゴラスは古代ギリシアで人気だったのか、「人間は万物の尺度である」という言葉の説明と共に紹介していきます。

要点をまとめると、

  • 「人間は万物の尺度である」とは『相対主義』という『この世のありとあらゆるものはすべて私達の基準で決められている』という考え方から来た言葉
  • 人気の理由は『どんな主張でさえ否定も肯定もできる』という当時の政治家が欲する考え方だったため

今の私達の価値感でさえこんな大昔の人が考えていました。私達のちょっとしたアイデアにも先駆者がいるかもしれないので安易に「俺がオリジナルだ!」と思うのは避けた方がいいかもしれません。気をつけましょう。

最後までお読み頂きありがとうございました。

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