こんにちは! 物書きの忍者です!
今回は、心理学者レオン・フェスティンガーの『認知的不協和』について紹介します。
そもそも、『認知的不協和』という言葉を聞いた事はありますか?
認知症や不協和音など部分的には耳にしたことがあっても、『認知的不協和』なんて言葉を聞いた事のある方は少ない筈です。
ここでは、耳慣れない用語である『認知的不協和』とは何のことかを簡単に紹介していきます。
認知的不協和とは?
まず『認知的不協和』についてざっくりとした説明をしますと、私達が自身の考えや行動と矛盾する認知を前にした際に生じる不快感を指した言葉です。
もう少しわかりやすく言うと、例えばテレビゲームをしている所を想像してみてください。
そこに「テレビゲームなんて、視力は落ちるし、無駄に時間も浪費するしで、やっててもいい事なんて一つもないよな?」と言う人が現れたとします。その時、どう思いますか?
言い分は確かに正しいのかもしれませんけど、自分が楽しくテレビゲームをしている横で言われた場合、ほとんどの人は「そんなことはない‼」とすぐに言い返すはずです。この時、言い返したくなった理由をもう少しだけ考えてみましょう。
その理由を簡単に言ってしまうと、自分にとって『テレビゲーム=楽しい』と良い方向に捉えているところに、余所から『テレビゲーム=時間を浪費する』みたいな元々持っていた考えと矛盾する悪い考え方を耳にしたことで不快感を感じたため、それを解消しようと「そんなことはない‼」と言い返したのです。
ようするに『認知的不協和』とは、「自分の考えは正しい!」と自身の正当性を守るために、自身の考えや行動と矛盾するものを前にした時に生じる、人として正常な反応だと思っておきましょう。
認知的不協和とは、自身の考えを捻じ曲げること?
『認知的不協和』とは、自身の考えや行動と矛盾するものを前にした時に生じる不快感だと説明しました。ここで「それになんか問題があるの?」と思われた方がいるかもしれません。
ここで重要なことは、そうした矛盾による不快感を私達が感じた際に、その不快感を解消するために矛盾の発生しない様に認知を変えてしまう可能性がある事です。
どういうことか説明しますと、まず喫煙者の方を想像してみてください。
多くの人にとって、タバコというのは悪い印象を持っていると思います。
- 肺がんになるリスクが上がる
- イライラしやすくなる
- 周囲からイヤな目で見られる
などなど、ちょっと考えただけでもあまり良くない認知がすぐ出てくるはずです。しかし、喫煙者は体に悪いと分かっていてもやめられていません。それはなぜなんでしょうか?
その理由は、禁煙という行動の改善が難しいために、体に悪いという自身がタバコを吸っていることと矛盾した認知を捻じ曲げて「交通事故に遭う確率に比べたら、肺がんのリスクなんて大したことはない」のように比較的簡単に修正できる考え方を変えることで、不快感を生じさせていた矛盾を解消させているからです。
つまり『認知的不協和』には、不快感を感じる矛盾した行動や考え方に遭遇した際に、その行動自体を変えるのではなく、それから受ける印象や感じ方などを都合よく捻じ曲げるという、ある意味『自身をだます』ことで成り立たせようとする行為に発展させる可能性があるわけです。
さいご
今回は、心理学者レオン・フェスティンガーの『認知的不協和』について紹介しました。
まとめると、
- 『認知的不協和』とは、私達が自身の考えや行動と矛盾する認知を前にした際に生じる不快感を指した言葉
- 「自分の考えは正しい!」と自身の正当性を守るために、自身の考えや行動と矛盾するものを前にした時に生じる、人として正常な反応ともいえる
最後までお読み頂きありがとうございました。
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